モジュール 【module】
概要
モジュール(module)とは、機能単位、交換可能な構成部分などを意味する英単語。機器やシステムの一部を構成するひとまとまりの機能を持った部品で、システム中核部や他の部品への接合部(インターフェース)の仕様が明確に定義され、容易に追加や交換ができるようなもののことを指す。人工物の構成要素や部品のうち、内部がより単純な複数の要素で構成され、それ自体がある程度まとまった何らかの意味のある機能を有するようなものを指す。他の構成要素と繋いだり、組み合わせて使用するための規約や仕様が、要素自体の仕様とは別に独立して定義されている点も重要である。
このような構成単位を組み合わせて全体を構成する手法を「モジュラー型」設計という。モジュール単位で容易に交換でき、モジュール内部の設計や実装の詳細を他のモジュールや全体の設計者が知る必要がない(ブラックボックス化)ため、要素ごとの分業や専門化が可能となる。
高度にモジュール化が進んだ工業製品の代表としてはパソコンがあり、CPUやメインメモリ(RAM)、マザーボード、ストレージ、入出力装置といった機能単位ごとに専門のメーカーがいくつもあり、購入時に好きな部品を選んで組み合わせたり、後から最新の部品に交換して機能や性能を向上させることができる。
ソフトウェアのモジュール
ソフトウェアの分野でも重要な概念で、モジュール化されたソフトウェア部品のことを「ソフトウェアモジュール」あるいは「プログラムモジュール」という。分野や製品によっては「コンポーネント」「パッケージ」などと呼ぶこともある。
大規模なソフトウェアの中には機能ごとにモジュールを組み合わせた設計になっているものがあり、利用者が必要な機能だけを組み合わせて導入したり、別の開発者や利用者が追加機能を開発して組み込んだり、全体を入れ替えることなく一部を修正・改良できるようになっている。
ソフトウェア開発およびプログラミングでも、特定のプログラミング言語で利用できるプログラム部品をモジュールという。近年の多くの言語では公式のモジュール配布サイトが用意されており、プログラマは必要な機能を実装したモジュールを組み込むことにより、自ら開発することなくその機能を利用することができる。