ZFS 【Zettabyte File System】
概要
ZFS(Zettabyte File System)とは、主にUNIX系OSで利用できるファイルシステムの一つ。広大な記憶領域を一括して管理することができる。米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社(現Oracle社)が自社のOS製品であるSolarisに実装したもので、オープンソースとして公開され様々な環境に移植されている。記憶領域を128ビットのアドレスで管理し、2128バイトという事実上無制限とも言える大容量の領域を単一のストレージとして管理することができる。これは名称の由来となった「ゼタバイト」(ZB:zettabyte/1021バイト)で表すと約3.40×1017ZBとなる。
記憶装置を一台ずつ個別に扱わず、全体を単一のストレージプールとして統合的に扱うため、記憶装置を新たに追加するとプールの容量が増加するという形で反映される。システムを稼働したまま記憶装置の取り外しや装着ができるホットスペアに対応している。
プール内は信頼性やアクセス性能を高めるRAID構成にすることができ、RAID 0やRAID 1、RAID 1+0(RAID 10)、RAID 5を拡張した独自のRAID-Z、RAID 6を拡張した独自のRAID-Z2などを設定することができる。
データの更新をコピーオンライト(COW:Copy On Write)方式で行い、ある時点におけるプール全体の複製であるスナップショットを少ない容量で高速に取ることができる。障害や誤操作で内容が破損した際に過去の任意の時点の状態に戻す(ロールバック)ことができる。
オリジナルのZFSは2005年に当時のSun Microsystems社がOpenSolarisに導入した。CDDLというライセンス体系でオープンソースとして公開され、LinuxやFreeBSD、macOSなどに移植され広く利用されている。当初は “Zettabyte File System” という名称だったが、現在は “ZFS” が公式名称で、何の略でもないとされている。
(2020.4.18更新)