root権限 【root privileges】 ルート権限
rootユーザーはオペレーティングシステム(OS)のインストール後に設定などを行わなくても最初から利用できる組み込みアカウントの一つである。あらゆる資源に無制限にアクセスでき、システム設定の変更、他のユーザーアカウントの作成や削除、パスワードやアクセス権の変更などを含むあらゆる権限を持つ。
rootユーザーで日常的にログインして操作することもできるが、root権限はあまりに強大で誤操作や外部からの乗っ取りが起きると被害が甚大なため、普段の作業には権限を限定した他のユーザーアカウントを使用し、どうしても必要なときだけroot権限を行使するという運用が行われることが多い。
これには主に二つの手法が用いられる。一つは、OSの設定によりrootユーザーによる直接のログインを禁止し、他のアカウントでログインしてからsuコマンドでrootに昇格するという手順を要求する方式である。昇格後はroot権限で何でも行うことができる。
もう一つは、やはり他のアカウントでログインし、sudoコマンドを用いて指定した操作のみをroot権限で実行するという方式である。suで権限を丸ごと委譲する方式に比べ、どのユーザーにどのコマンド実行を許可するかを細かく指定できるため、一般的にはこちらの方式のほうが好まれる。
(2024.3.19更新)