ルートファイルシステム【root filesystem】
概要

UNIX系OSでは、ファイルやディレクトリだけでなく、ストレージ装置のパーティションや周辺機器へのアクセス手段なども含め、システム上のあらゆる要素をルートファイルシステムを頂点とする単一の木構造(ディレクトリツリー)として管理する。利用者やアプリケーションは、物理的な格納場所を意識することなくファイルにアクセスできる。
ルートファイルシステムは、内蔵のSSDやハードディスクなどに設けられたファイルシステムのうち、ルートディレクトリが割り当てられたものを指す。内部には、基本コマンドを収める「/bin」、システム管理用コマンドを配置する「/sbin」、設定ファイルを保存する「/etc」、共有ライブラリを格納する「/lib」などのディレクトリが置かれる。近年のLinuxディストリビューションでは、「/bin」や「/sbin」が「/usr」配下へ統合される構成が多い。
コンピュータの起動時には、ブートローダやカーネルによって最初にルートファイルシステムが認識され、読み込まれる。Linuxでは「initramfs」と呼ばれる一時的な初期ルートファイルシステムを経由し、必要なドライバや設定を読み込んだ後、実際のルートファイルシステムへ切り替えてシステムの起動を継続する仕組みになっている。そのため、ルートファイルシステムに障害が生じるとOS自体が起動不能になる場合がある。
ルートファイルシステム以外のファイルシステムは、起動処理中または稼働中に「マウント」(mount)という操作によってディレクトリツリーへ組み込まれる。例えば「/home」を別パーティションに置いた場合でも、マウント後はルートファイルシステム配下の通常のディレクトリとして利用できる。起動時に自動マウントするファイルシステムは「/etc/fstab」に記述しておくのが一般的である。