シェル 【shell】 OSシェル
概要
シェル(shell)とは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)を構成するソフトウェアの一つで、利用者からの操作の受け付けや、利用者への情報の提示などを担当するもの。OS以外についても、その操作や表示を担当する機能やソフトウェア部品などのことをシェルと呼ぶことがある。シェルは入力装置などによる利用者の操作を受け付けて、対応する動作をOSの中核部(カーネル)や他のプログラムに指示したり、それらからの出力を画面に表示するなどして利用者に伝える。簡易なプログラム(スクリプト)を記述して与えることで操作を自動化することができるようになっていることが多い。
OSの種類により、Windowsのようにシェルがカーネルなどと一体のパッケージとして提供されるものと、LinuxなどのUNIX系OSのように、機能や使い勝手の異なる複数のシェルがあり、利用者が任意に組み合わせて用いることができるようになっているものがある。
コマンドラインシェル
UNIX系などでよく用いられるのは、キーボードからの文字入力と画面への文字表示で利用者と対話する「CUI」(Character User Interface)あるいは「CLI」(Command Line Interface)を採用したシェルで、「コマンドラインシェル」と呼ばれる。
利用者は画面上で入力の待ち受けを表す「プロンプト」(prompt)に続けてキーボードから「コマンド」(command)と呼ばれる命令を入力し、Enterキーなどで決定するとシェルが入力内容を解釈して実行する。結果は次行以降に表示され、終了すると再びプロンプトが現れる。これを繰り返して対話的に操作する。
コマンドはその場で直に入力するだけでなくテキストファイルに保存してファイル名を指示することによっても実行できる。一行に一つずつ複数のコマンドを並べてまとめて実行することができ、条件分岐や変数などを利用してプログラムのように記述できる場合もある。この仕組みをUNIX系では「シェルスクリプト」、Windowsでは「バッチファイル」「PowerShellスクリプト」などという。
グラフィカルシェル
WindowsやmacOSなどでよく用いられるのは、画面上に表示された図形や画像などをマウス操作や画面へのタッチなどで指定して操作する「GUI」(Graphical User Interface)を採用したシェルで、「グラフィカルシェル」と呼ばれる。
机の上を模した「デスクトップ」(desktop)と呼ばれる操作画面上にウィンドウやタスクバー、アイコン、ランチャーなどが配置され、マウスポインタを移動させたり画面に指で触れるなどして位置を指定し、その場所にある操作要素に対して指示を与える。
主な操作
シェルを利用した主な操作として、コンピュータプログラム(ソフトウェア)の実行状態の管理やストレージ(外部記憶装置)の管理がある。前者は、プログラム名やアイコン(絵文字)を指定してプログラムを起動したり、実行中のプログラムを終了したり、起動パラメータや環境変数などを設定して動作モードを変更したりすることができる。
後者は、ストレージ装置などに設けられたファイルシステムを操作して、ファイルやディレクトリ(フォルダ)などを一覧したり、新たに作成したり、改名(リネーム)や複製(コピー)、移動(ムーブ)、削除(デリート)などを行ったり、リンクやショートカットなど別の場所に「分身」を作成することができる。