スワップ領域 【swap space】 スワップパーティション / swap partition
概要
スワップ領域(swap space)とは、LinuxなどのUNIX系OSでストレージ上に作成される特殊なパーティションの一つで、メインメモリ(物理メモリ)の容量の延長としてプログラムやデータを記録することができる領域。現代のコンピュータおよびオペレーティングシステム(OS)の多くは「仮想メモリ」という仕組みを備え、メモリ領域に対して装置内での物理的な位置とは独立に番地(アドレス)を割り当て、各プログラムはこの番地を指定してデータを読み書きすることができる。
これにより、ストレージ上に領域を確保してメモリの延長としてデータを記録することができるようになる。Linuxなどではスワップ領域として独立したパーティションが設けられ、Windowsなどでは指定のドライブ上のシステムファイルとして領域が用意される。
メモリアクセスの際にストレージ上にあるデータを直に参照することはできないため、物理メモリ上の最近使われていない領域との間で内容を入れ替え、物理メモリ上に呼び出す操作が行われる。物理メモリ上の内容をストレージに退避することを「スワップアウト」、物理メモリに呼び戻すことを「スワップイン」、両者を合わせて「スワッピング」という。
システム上は物理メモリにスワップ領域の容量を足した分だけ総メモリ容量として確保できるようになるが、ストレージに対するデータの読み書きには時間がかかるため、容量いっぱいにプログラムを配置すると頻繁に入れ替え処理が起こり、極端に性能が低下する「スラッシング現象」が起こり、プログラムの実行が妨げられることがある。
(2022.3.18更新)