KVM 【Kernel-based Virtual Machine】
概要
KVM(Kernel-based Virtual Machine)とは、Linux上で仮想化環境を構築するための基盤となるソフトウェアの一つ。Linuxカーネル自体をハイパーバイザ(VMM:仮想マシンモニタ)として動作させ、様々なオペレーティングシステム(OS)を並行して稼働させることができる。KVMは米インテル(Intel)社のIntel VTや米AMD社のAMD-Vなどマイクロプロセッサの提供する仮想化支援機能を利用して一台の物理コンピュータ上に仮想化された複数のコンピュータを起動し、Linux自身を含む様々なゲストOSを実行することができる。
入出力(I/O)の仮想化にはQEMUが必要で、ゲストOSを導入するにはKVMとQEMUをセットで組み込む。ゲストOSとしてはWindowsやmacOS(Mac OS X)、FreeBSDなどBSD系OSなど様々なものを使用できる。ゲストOS側からはBIOSなどを含むハードウェアの完全仮想化が行われているため、OSは物理コンピュータ向けの製品をそのまま導入することができ、仮想化環境向けの追加・修正は必要はない。
最初のバージョンはイスラエルのクムラネット(Qumranet)社が2006年に開発し、オープンソースソフトウェアとして公開したもので、その後数ヶ月のうちにLinuxカーネルに取り込まれて一体的に提供されるようになった。同社は2008年にLinux系ソフトウェア大手の米レッドハット(Red Hat)社(現在はIBM社傘下)に買収されている。
(2019.4.15更新)