Windows Server
概要
Windows Serverとは、米マイクロソフト(Microsoft)社のサーバコンピュータ向けオペレーティングシステム(OS)製品のシリーズ名。同社のOS製品ブランド「Windows」のサブブランドの一つで、企業の情報システムなどで利用されるサーバ機に導入することを想定して開発された一連の製品群で構成される。ネットワーク上で他のコンピュータに機能やデータを提供するサーバの運用に適した構成となっている。数人のグループで利用する小規模サーバからインターネット上のサービス提供に用いる大規模サーバまで構築することができる。
デスクトップ向けの「Windows」シリーズとコード基盤の多くが共通しており、エクスプローラーやコントロールパネル、管理コンソールなど基本的な操作画面や操作方法なども同じである。Windows向けのほとんどのソフトウェアもWindows Serverでそのまま動作する。
サーバ用途に特化した付属ソフトウェアとして、ディレクトリサービスを提供する「Active Directory」やWebサーバ機能などを提供する「Internet Information Services」(IIS)などがある。仮想化機能「Hyper-V」により一台の物理的なコンピュータを複数の仮想マシンに分割して並列に運用することもできる。
エディション
用途や規模に応じて複数のエディション(版)が用意され、特定の機能に特化した派生製品もある。バージョンによってエディションの構成は異なるが、一般的な用途向けの「Standard」、小規模環境向けの「Foundation」や「Essentials」、大規模環境向けの「Enterprise」や「Datacenter」などが提供される。
歴史
同社のサーバ向けWindowsは1990年代後半に「Windows NT Server」及び「Windows 2000 Server」として始まり、2003年の「Windows Server 2003」で「Windows Server」という独立した製品ブランドが確立した。
その後、「Windows Server 2003 R2」(2005年)、「Windows Server 2008」(2008年)、「Windows Server 2008 R2」(2009年)、「Windows Server 2012」(2012年)、「Windows Server 2012 R2」(2013年)、「Windows Server 2016」(2016年)、「Windows Server 2019」(2019年)、「Windows Server 2022」(2021年)がそれぞれリリースされている。Windows Server 2008 R2からは64ビットCPUのみの対応となっている。