RTF 【Rich Text Format】 リッチテキスト / .rtfファイル
概要
RTF(Rich Text Format)とは、文字や画像を組み合わせた文書を保存するためのファイル形式の一つ。米マイクロソフト(Microsoft)社が定めた形式で、同社のソフトウェアで利用されるほか、仕様が公開されているため他社のソフトウェアにも対応しているものが多くある。標準のファイル拡張子は「.rtf」。単純な文字データのみのプレーンテキスト形式と、ワープロソフトなどで作成・編集できる複雑な文書形式の中間的な方式で、文字の大きさや書体(フォント)の指定、太字や斜体、下線などの文字飾り、文字揃え(左端・右端・中央・両端揃え)やインデント(字下げ)、箇条書き、表組み、画像の埋め込み表示などが可能となっている。
データそのものはテキスト形式で、表示される本文の中に混在させる形で、特殊な記法により制御用の文字列を記述する。利用できる文字はASCII文字(半角英数字)のみで、日本語などASCIIの範囲外の文字を表記する場合はUnicodeなどで規定される文字コードを16進数で表記する特殊な記法を用いる。
RTFのテキスト中では、先頭に「¥」(日本では円マーク、国外のシステムではバックスラッシュ)が付いているものが命令語を表し、その命令が有効な範囲(ブロック)は波括弧 { } で括る。例えば、「{¥b bold text}」のように記述すると、「bold text」という文字が太字に装飾されて表示される。
1987年に初版(バージョン1.0)が公表され、以後、同社のワープロソフトである「Microsoft Word」の新バージョンの発売に合わせて改版されてきた。2008年のバージョン1.9.1以降は更新されておらず、同社はこれが最後のバージョンになると表明している。
主要な文書編集ソフトでは、Wordの他にもmacOS向けの「Pages」やオープンソースの「LibreOffice」、クラウドサービスの「Googleドキュメント」などが対応している。オペレーティングシステム(OS)組み込みのアプリケーションでは、Windowsの「ワードパッド」(WordPad)やmacOS(Mac OS X)の「テキストエディット」(TextEdit)が対応している。