Red Hat Linux 【RHL】

概要

Red Hat Linux(RHL)とは、かつて米レッドハット(Red Hat)社が開発・配布していたLinuxディストリビューション(配布パッケージ)の一つ。

Linuxでは、オペレーティングシステムOS)としての中核部であるLinuxカーネルと、各種のツールユーティリティライブラリアプリケーション開発ツールデバイスドライバインストーラなどを集約して一つのパッケージにまとめた「ディストリビューション」という単位で配布や販売が行われる。

Red Hat Linuxは同社が開発し1995年に公開したディストリビューションで、無償で入手・利用できるが有償で同社によるサポートが受けられるという当時としてはユニークな提供方式が注目された。企業が業務システムLinuxを採用する際などによく利用された。

システムを構成するソフトウェアの導入や更新、削除などを管理するパッケージ管理システムとして独自の「RPM」(Red Hat Package Manager)を採用した。これが後に他の多くのディストリビューションにも採用され、「RPM系」と呼ばれるディストリビューション分類の系統を形成した。

2003年に開発・公開終了が発表され、無償配布版はオープンソース開発者らが新たに設立したFedoraフェドラプロジェクト開発・配布する「Fedora Core」(現Fedora)に引き継がれ、同社は企業向けに有償で提供される「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)の開発・販売へ注力することになった。

(2023.3.15更新)

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