ext 【extended file system】
概要
ext(extended file system)とは、Linuxで標準的に利用されるファイルシステムのシリーズ名。狭義には、その最初のバージョンの名称。現在までに「ext1」「ext2」「ext3」「ext4」の4つが開発されている。ext1
1992年に公開された、extシリーズ最初のファイルシステムで、正式名称は単に「ext」(extended file system)だが、ext2の登場以降は後継システムと区別する都合上「ext1」と呼ばれることが多い。
初期のLinuxはその開発環境でもあったMINIXのファイルシステムを流用していたが、16ビットシステムを前提とした設計で、ファイルサイズの上限が64MB(メガバイト)だったり、ファイル名が14文字までなど制約がきつかった。
そこで、Linuxカーネルにファイルシステムを追加するための変更を加え、初のLinux向けのファイルシステムとしてextが開発・公開された。32ビット環境を前提に、2GB(ギガバイト)までの領域に対応するなど機能が大きく拡張された。翌1993年にすぐ後継のext2が開発されたため、実用上はあまり普及していない。
ext2
1993年に公開された、初期のextの後継となるファイルシステム。1990年代後半のLinuxの普及拡大期に標準だったため、extシリーズでは広く実用に供された最初のファイルシステムである。
ファイルサイズの上限は4TB(テラバイト)、ボリュームサイズの上限は16TBと、当時の一般的な記憶装置では十分な大きさを管理することができる。ファイル名の上限も255文字までに拡張されている。
ボリュームの一部を管理用の領域として予約しておくことができ、一般ユーザーが領域を使い果たしてしまっても、管理者がスムーズにメンテナンスを行える。ジャーナリング機能がないためエラー発生時の整合性チェック(fsck)などに長時間かかる難点があり、ext3など後継システム開発のきっかけの一つとなった。
(2020.8.2更新)