コンテナフォーマット 【container format】

概要

コンテナフォーマット(container format)とは、様々な異なる形式のデータを一つのファイルに格納する方法を定めたファイル形式。動画データや音声データを記録するのによく用いられる。

コンテナフォーマット規格はファイルの記録形式を定めているが、データファイル内にどのように配置するか、データについての情報メタデータ)をどのように記録するかなどを規定しており、記録されるデータの圧縮符号化方式などは直接規定していない。

具体的なデータの書き込みや読み出しのためには、データを特定の符号化方式で圧縮あるいは展開するコーデックcodec)が別途必要になる。動画を格納するコンテナの場合には、動画と音声、字幕など異なる種類のデータを一つのファイルに記録し、再生時に同期させる方法も規定している。

音声記録用のコンテナフォーマットとしてはWAVAIFF、Matroska Audio(.mkaファイル)などがある。動画記録用のコンテナフォーマットとしてはAVIMP4MOVMPEG-2 TSOggMatroska Video(.mkvファイル)、3GPP/3GPP2、FLVDivXなどがよく知られる。静止画像は個別のファイル形式が一般的だが、TIFFJPEG XRのようなコンテナフォーマットが用いられることがある。

なお、Windowsのメディアデータの格納に用いられるAVIWAVは「RIFF」(Resource Interchange File Format)という汎用のコンテナフォーマットを元に音声用や動画用に最適化した形式となっている。静止画像のWebPフォーマットなども、圧縮データファイルへの記録形式としてRIFFを元にした形式を採用している。

(2024.7.5更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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