LaTeX
概要
LaTeXとは、組版システムおよびマークアップ言語のTeXの機能を拡張し、より手軽に文書作成・編集をできるようにしたもの。正しくはLATEXのようにAを小さめの大文字で上付きに、Eを下付きに表記するが、それができない場合はAとEを小文字で表すこととされている。TeXはアメリカのコンピュータ科学者、ドナルド・クヌース(Donald E. Knuth)氏が開発した組版システムで、専用のマークアップ記法で文書中に構造やレイアウト、数式などを埋め込む形で記述すると、印刷可能なページ単位のイメージに変換してくれる。
TeXには既存の機能を組み合わせて新しい機能を定義する「マクロ」(macro)と呼ばれる機能拡張の仕組みがあり、LaTeXはこれを利用して様々な便利なマクロを定義したパッケージとなっている。実際の組版処理などはTeX本体のものを利用する。
TeX環境の中でも最も人気の高いパッケージの一つであり、単に「TeXを使っている」という場合は実際にはLaTeXを使っていることも多い。複雑な数式を簡易な記法で美しく出力できるなどの特徴から、主に技術書の出版や科学技術系の論文執筆などで人気がある。
1985年にアメリカのコンピュータ科学者、レスリー・ランポート(Leslie Lamport)氏が開発したもので、フリーソフトウェアとして公開されており誰でも自由に入手、利用、改変、再配布などすることができる。LaTeXを日本語対応にするなど用途に合わせてさらに改良した派生ソフトウェアも数多く公開されている。
(2022.4.4更新)