アーカイブファイル 【archive file】 書庫ファイル
概要
アーカイブファイル(archive file)とは、コンピュータに記録されたデータを長期保存するため、専用のファイル形式に変換したり専用の保存領域に移動させたもの。圧縮ファイルのことを指すことが多いが、本来は複数ファイルをまとめた形式を指す。コンピュータを長期間使用しているとデータファイルなどが蓄積されていくが、ハードディスクやSSDなどのストレージ(外部記憶装置)の容量は有限で、買い足していくと際限なく費用がかかってしまう。
このため、少しでも記憶容量を節約するため、すぐには参照しないが削除せず取っておきたいファイルを専用の形式にまとめて保管しておくことがある。そのような保管用の形式に変換されたファイルや、保管用の記憶領域や媒体、装置に移されたファイルのことをアーカイブファイルという。
複数のファイルから作成されたアーカイブファイルは内部に収められたファイルなどの名称や容量、作成日、ディレクトリ構造とファイルの配置などの情報(メタデータ)を保持しており、容易に一覧したり特定のファイルを抽出できるようになっている。アーカイブファイルを作成したり元のファイル群を取り出すためのプログラムを「アーカイバ」(archiver)という。
ファイルをアーカイブ化する際は容量を節約するためデータ圧縮(ファイル圧縮)を行なうことが多いため、圧縮ファイルを指してアーカイブファイルという場合もあるが、本来は圧縮とアーカイブ化はそれぞれ別の目的を持つ独立した工程である。実際、LinuxなどのUNIX系OSではアーカイバ(tarなど)とファイル圧縮ソフト(gzipなど)が分かれているのが一般的で、両者を組み合わせてアーカイブファイルを作成する。
アーカイブファイルはハードディスクなどにそのまま保管しておくこともあるが、日常的に参照する必要がない場合は専用の記憶媒体(記録メディア)や保管システムに複製してコンピュータ内からは削除してしまう場合もある。個人用途ではCDやDVD、Blu-ray Discなどの光学ディスクが、業務用では磁気テープなどがアーカイブファイルの長期保存用に用いられることが多い。