Markdown 【MD】 マークダウン記法 / .mdファイル
概要
Markdown(MD)とは、文書の構造や修飾情報を記述するマークアップ言語の一つ。ソフトウェアの関連ドキュメントの作成などによく利用されている。ファイルとして保存する際の標準の拡張子は「.md」。変換ソフトでHTML文書などに変換してWebブラウザなどで表示・閲覧することを想定しているが、記号を多用した簡易な記法で、そのままテキスト文書として表示しても読みやすいという特徴がある。
HTMLなどと同じように改行文字は表示に反映されず、改行を挿入したい場合は行末にスペースを二文字連続で記入する。また、改行文字が連続する(空行)箇所は段落の区切りとみなされる。
見出しは行頭に「#」を付けて「# 大見出し」のように記述し、「## 中見出し」「### 小見出し」のように「#」の数で階層構造を表現することができる。文字の強調表示は「*強調*」あるいは「_強調_」と記し、さらに強い強調は「**強調**」「__強調__」とする。
プログラムコードを記述したい場合は「`」(バッククォート)で囲んで「`while(true);`」のように書くか、行頭に4つ以上のスペースを置いてインデント(字下げ)する。
リスト(箇条書き)は先頭に「*」を付けて「* リスト項目」のように書くか、通し番号を付けたいときは「1. 項目A」「2. 項目B」のように先頭を「番号. 」とする。
先頭に「>」をつけた文章は引用文とみなされる。ハイパーリンクは[リンクテキスト](参照先 "タイトル")という形式で埋め込むことができる。「********」「-------」のように連続するハイフンなどの記号は水平線とみなされる。
これらの記法の多くは英語圏の電子メールのやりとりでよく用いられてきた慣用的な表記を元にしたもので、単純なテキストしか表示できない環境で構造などをいかに見やすく表記するか工夫した結果生み出されたものである。
Markdownは2004年にジョン・グルーバー(John Gruber)氏が考案し、ソフトウェア開発者などの間で広まっていった。2016年にRFC 7763(The text/markdown Media Type)としてIETFにより仕様が標準化されているが、対応ソフトウェアごとの微妙な仕様や解釈の差異(方言)が数多くあり、互換性や再現性が低いことが指摘されている。