TIFF 【Tagged Image File Format】 .tifファイル / .tiffファイル

概要

TIFF(Tagged Image File Format)とは、様々な符号化方式に対応した、ビットマップ形式の画像データを保存するためのファイル形式の一つ。色数や圧縮形式を様々な選択肢から選ぶことができ、「タグ」という仕組みで様々な情報を埋め込むことができる。

保存する画像の色数(白黒2値グレースケールフルカラーなど)や解像度、圧縮符号化形式(非圧縮、ランレングス圧縮、ZIP、LZWなど)に様々なものを選択して指定することができ、バージョン6.0からはJPEG圧縮された画像の保存にも対応した。各色32ビットまで対応するなど色数の表現が柔軟な点が大きな特徴となっている。ファイル名の標準の拡張子は「.tif」あるいは「.tiff」。

ファイル内部には「タグ」(tag)という項目名と値が並んでおり、タグによって画像の様々な属性を表現することができる。読み込み時にはタグに記載された情報を元に画像の仕様や形式を特定し、展開して表示する。タグの種類は仕様改訂のたびに増え続け、すべてのタグに対応することは困難となっている(規格上も全タグ対応は必須ではない)。

TIFFには「マルチページ」と呼ばれる仕様が規定されており、一つの画像ファイルに複数枚の画像データを保存することができる。それぞれの画像ごとにタグを設定できるため、異なる仕様・形式の画像を組み合わせて一つのファイルに記録することができる。

ファクシミリ(FAX)の伝送画像を扱うための拡張仕様として「TIFF-F」が定められており、FAX規格で定められたMH符号、MR符号、MMR符号などの符号化方式で生成された画像データをそのままTIFFファイルに保存することができる。いわゆるインターネットFAXサービス/システムで広く採用されており、受信画像の端末への保管や外部への転送などに用いられている。

1986年に米マイクロソフト(Microsoft)社と米アルダス(Aldus)社(現Adobe社)によって開発された形式で、古くから汎用の画像形式として様々なソフトウェアで利用されてきた。BMP形式が標準になる前の初期のWindowsでは標準の画像形式だったことでも知られる。Exif形式やDICOM形式など、TIFFの仕様を拡張して独自に定義されたファイル形式もある。

(2024.1.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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