圧縮ファイル 【compressed file】
概要
圧縮ファイル(compressed file)とは、データ圧縮により元のファイルの容量を削減したファイル。圧縮ソフトによって作ることができ、必要に応じて元のファイルに復元(解凍/展開)することができる。「データ圧縮」(data compression)はデータが表す情報の実質的な内容を(まったくあるいはなるべく)変えずにより短いデータに置き換える処理で、あるファイルをデータ圧縮して作成したファイルが圧縮ファイルである。
ストレージ内でより少ない記憶容量で保管でき、通信回線などで伝送する際も短時間で送ることができる。ただし、閲覧や編集、実行(プログラムの場合)などを行うためには元のファイルに復元しなければならない。
圧縮ファイルには様々な圧縮符号化方式(圧縮アルゴリズム)やデータ記録形式(ファイル形式)があり、ソフトウェアによって対応している形式が異なる。現代の著名な形式は仕様が公開されているため、必ずしも圧縮時に使用したソフトを用意しなくても対応ソフトが入手できれば展開することができる。WindowsのZipファイル圧縮・展開機能のようにオペレーティングシステム(OS)が標準で対応している形式もある。
多くの圧縮ファイル形式には複数のファイルやディレクトリ構造を一つのファイルにまとめて圧縮する仕様があり、展開すると複数のファイルやディレクトリが作成される。圧縮ファイルのことを「書庫ファイル」「アーカイブファイル」(archive file)と呼ぶことがあるが、この呼称は元来(圧縮の有無に関わらず)複数のファイルをまとめることができるファイル形式を指す。
OSによってよく使われる圧縮ファイルの形式は異なり、WindowsではZipやRAR、CABなどが、macOS(Mac OS )ではZipが、LinuxなどUNIX系OSではgzipやbzip2などがよく用いられる。日本では1990年代にLZH形式(LHA形式)が、旧Mac OSではStuffIt形式(.sitファイル)がよく使われていたため、現在でも古いファイルにそれらの形式が残っていることがある。