VHDX 【.vhdxファイル】

概要

VHDX(.vhdxファイル)とは、仮想化ソフトなどが利用するファイル形式の一つで、ストレージ装置の記憶領域を先頭から順に丸ごと写し取ったような構造になっているもの。システムディスクのイメージの作成、複製、配布などに用いられる。標準のファイル拡張子は「.vhdx」。

オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトを導入、設定済みのストレージの記録状態(ディスクイメージ)を丸ごと一つのファイルとして記録することができる。これを用いて仮想マシン物理マシンを起動することができる。

VHDXファイルにシステムの状態を記録することで、一台のコンピュータ上での複数のOS環境の使い分けたり、使用中の環境を丸ごとバックアップしたりすることができる。整備済みのシステム環境をデータとして複製、配布して他のコンピュータ上でそのまま再現することもできる。

米マイクロソフト(Microsoft)社の「Hyper-V」などで標準的に用いられいる「VHD」形式のバージョン2として開発された形式である。VHD(1.0)に比べ最大容量が4TBから64TBに拡張され、メタデータの更新履歴を保存することで不意な電源断などが生じてもファイルが破損しにくくなっている。

内部にファイルシステムを作成する場合はNTFSexFATを選択することができる。Windows 8以降あるいはWindows Server 2012以降でのみ使用できるため、それ以前の環境やFAT32など古いファイルシステムが必要な場合は引き続きVHDファイルを用いる。

(2023.10.25更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。