PICT形式 【PICファイル】 PCTファイル
概要
PICT形式(PICファイル)とは、米アップル(Apple)社の旧Mac OS(Classic Mac OS/漢字Talk)で標準だった画像形式の一つ。ファイルタイプは「PICT」で、ファイル名に拡張子を付す場合は「.pic」「.pict」「.pct」などが用いられる。Mac OSのグラフィック描画エンジンである「QuickDraw」に対する描画命令を連ねた形式で、図形(ベクターグラフィック)とビットマップ画像(ラスターグラフィック)を混在させることができる。
初期の「PICT1」形式は8色までの対応だったが、「PICT2」では24ビットカラー(フルカラー)の画像を格納でき、透明度(アルファチャンネル)による半透明処理などにも対応した。標準のビットマップ形式は単純なランレングス圧縮(連長圧縮)が行われるが、QuickTimeと組み合わせるとJPEGやGIFを格納することもできた。
Mac OS 9までのいわゆるクラシックMac OSにおける標準のファイル形式で、Mac上で画像を扱うほとんどのアプリケーションが対応していた。仕様は公開されているものの、QuickDrawによる描画処理を前提としていたため、Mac以外のOSやアプリケーションによる対応はあまり広がらなかった。
仕様が刷新された後継のMac OS XおよびmacOSではQuickDrawが廃止されたため標準画像形式とはなっていないが、過去のシステムやデータとの互換性の維持のため、OSやアプリケーションの多くが引き続き画像データ形式の一つとして対応を続けている。
(2022.6.13更新)