インポート 【import】 取り込み

概要

インポート(import)とは、輸入(する)、輸入品、取り込む、持ち込む、などの意味を持つ英単語。IT分野では、あるソフトウェアが、他のソフトで作成されたデータファイルを読み込んで利用できるようにすることをこのように呼ぶ。対義語は「エクスポート」(export)。

データ形式やファイル形式には、標準規格などに基いて様々なソフトウェアが対応している汎用の形式と、それぞれのソフトウェア固有の形式がある。インポート機能はソフトウェアが自らの固有の形式ではないデータを読み込んで、自らが利用できる形式に変換することを指す。

汎用形式については、ソフトウェアによってインポート機能の対象とする場合と、自らの標準形式の一部であるとして通常の読み込み操作で対応する場合がある。汎用形式はその分野の最大公約数的な機能や仕様のみで構成されていることが多く、これをインポートする場合は元のデータを完全な状態で取り扱えることが多い。

一方、各ソフトウェア固有の形式はそのソフトにしかない機能などに基づく部分が存在することがあり、形式の詳細が公開されていない場合もある。インポートによって完全な状態が再現できる場合と、主要な部分は読み込めるが詳細は再現できず不完全な内容しか得られない場合がある。

これに対し、ソフトウェアが自らの固有の形式以外の形式(汎用形式や他のソフトウェア固有の形式)でデータを書き出したりファイルを保存することを「エクスポート」(export)という。インポートと事情は概ね同じで、他製品固有の形式への変換は不完全にしかできない場合がある。

データ変換以外の用法

形式の変換についてだけではなく、ある機器が作成・保存したデータを別の機器で取り込んで利用できるようにすることや、ネットサービスなどへ利用者データを送り込んで保存させることなど、データの記録場所の移動、受け渡しなどについてインポートということもある。

例えば、あるスマートフォンで作成したアドレス帳を機種変更で新しいスマートフォンに移し替えて読み込むことや、画像の編集をうネットサービスに利用者が手元の画像ファイルアップロードして編集可能な状態にすることなどを(データ変換が伴わない場合でも)インポートという場合がある。

(2024.3.30更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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