ワープロソフト 【word processor software】 文書作成ソフト / 文書編集ソフト
概要
ワープロソフト(word processor software)とは、文章主体の文書を作成・編集し、紙面上での見栄えの調整を行うことができるソフトウェアのこと。もともと「ワードプロセッサ」(word processor)と呼ばれる文書作成・編集専用のコンピュータ製品があり、その機能を汎用のパソコンなどの上で動作するソフトウェアとして実装したものであるためこのように呼ばれる。特定の大きさの紙面に文章や見出し、箇条書き(リスト)などを配置し、文字の大きさや書体(フォント)を指定したり、字間や行間を調整したり、複数の段に分けて表示したり、画像や図表を埋め込んだりすることができる。
同じ文字入力・編集ソフトでも、紙面の構成を前提とせず、文字データの表示、入力、編集のみができる(見栄えを指定する機能がない)ソフトウェアは「テキストエディタ」(text editor)と呼ばれ、区別される。
1980年前後のパソコン(当時はマイコンとも呼ばれた)黎明期から存在するソフトウェアで、業務用の高価なワープロ専用機の機能を安価な個人用コンピュータでも利用できるとあって、家庭向け、オフィス向け共にパソコンの主要なアプリケーションとして広く普及した。現代では表計算ソフトなどと共にオフィスソフト(オフィススイート)の主要な構成要素として提供されることも多い。
歴史
欧米では1980年代には米ワードパーフェクト(WordPerfect)社の「WordPerfect」の人気が高かったが、1990年代になるとマイクロソフト(Microsoft)社の「Microsoft Word」(マイクロソフト・ワード)が同社のWindowsと共に劇的に普及し、事実上の標準に近い存在となった。現在でも他社製品がWordのファイル形式(.docファイル/.docxファイル)の読み書きに対応するなど標準的なソフトとなっている。
日本では日本語の扱いの特殊性などから1980年代の黎明期に国産ソフトが主流となり、管理工学研究所の「松」やジャストシステムの「一太郎」、ワープロ専用機の流れを継ぐ富士通「OASYS」などの人気が高かった。1990年代にはWindowsの普及と共にWordが優勢となった。
(2018.4.15更新)