VHD 【Virtual Hard Disk】 .vhdファイル
概要
VHD(Virtual Hard Disk)とは、仮想化ソフトなどが利用するファイル形式の一つで、ストレージ装置の記憶領域を先頭から順に丸ごと写し取ったような構造になっているもの。システムディスクのイメージの作成、複製、配布などに用いられる。オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトを導入、設定済みのストレージの記録状態(ディスクイメージ)を丸ごと一つのファイルとして記録することができる。これを用いて仮想マシンや物理マシンを起動することができる。
VHDファイルにシステムの状態を記録することで、一台のコンピュータ上での複数のOS環境の使い分けたり、使用中の環境を丸ごとバックアップしたりすることができる。整備済みのシステム環境をデータとして複製、配布して他のコンピュータ上でそのまま再現することもできる。
後継として「VHDX」(ファイル名の拡張子は.vhdx)形式も開発されており、最大容量が64TB(テラバイト)に拡張され、耐障害性を向上させる機能の追加などが行われている。
もともと米コネクティクス(Connectix)社がVirtual PCなどの仮想化製品のために開発した形式だが、現在は同社を買収した米マイクロソフト(Microsoft)社が開発元となっている。Microsoft社のHyper-Vなどの仮想化製品で標準形式として用いられており、XenやVirtualBoxなど他社製品でも対応しているものがある。
(2020.9.10更新)