ファイル 【file】

概要

ファイル(file)とは、コンピュータにおけるデータの管理単位の一つで、ストレージ装置(外部記憶装置)などにデータを記録する際に利用者オペレーティングシステム(OS)から見て最小の記録単位となるデータのまとまり。

利用者コンピュータを用いて記憶媒体データを保存、読み込み、移動、削除などする際に一つのまとまりとして取り扱うデータの集合を表し、OSの一部であるファイルシステムfile system)によって管理される。

ハードディスクSSDUSBメモリ光学ディスクCD/DVD/Blu-ray Disc)などの記憶装置記憶媒体を利用する際に用いられるほか、コンピュータ周辺機器の間やコンピュータ間の通信においてもデータの送受信単位として利用される。

ディレクトリとパス

ファイルシステムは記憶媒体内でファイルの作成や削除、上書き、移動、複製などを管理する仕組みで、複数のファイルをまとめて一つの集まりとして扱う「ディレクトリ」(directory)や「フォルダ」(folder)などの入れ物(領域)を作成することもできる。

ディレクトリフォルダの中に別のディレクトリフォルダを作成し、入れ子状にすることもでき、記憶媒体全体を階層構造に整理して管理する。装置内でのファイルの位置は、「C:WindowsSystem32cmd.exe」のように最上位から順にディレクトリ名を繋げた「パス」(path)という記法で表される。

ファイル名

ファイルにはそれぞれ固有のファイル名が付けられ、これを用いて識別・指定される。多くのOSではファイル名の末尾にファイルの種類や形式を表す「拡張子」(extension)と呼ばれる数文字の英数字の符号が付与される。

コンピュータの操作画面ではファイルは記憶媒体内での位置(パス)やファイル名で表示され、キーボードなどからパスファイル名を指定して操作する。グラフィック表示を用いるGUIGraphical User Interface)を備えたOSでは、ファイルは種類によって異なるアイコン絵文字)とファイル名によって表示され、マウス操作やタッチ操作でアイコンを指し示して操作をう。

ファイル属性

ファイルはファイルシステムに記録される際に様々な属性や付加情報(メタデータ)と共に記録される。作成日時や最終更新日時、最終アクセス日時、作成者(所有者)、各利用者やグループのアクセス権限などが記録、設定される。

また、多くのOSではファイルに「読み取り専用属性を付与でき、解除されるまで削除や上書きができなくなる。「隠しファイル」に設定されたファイルは通常の動作モードではファイル一覧画面などに表示されなくなる(ファイル名を直に指定すれば操作はできる)。

ファイル形式

ファイルに記録されるデータの形式や書式ファイルフォーマット)は作成したソフトウェアによって様々だが、大きく分類すると「バイナリファイル」(binary file)と「テキストファイル」(text file)に分かれる。

バイナリファイルは特に制約なくあらゆるビットパターンを記録できる自由な形式で、その形式に対応したソフトウェアでなければ何が記録されているか知ることができない。テキストファイルデータを文字情報として記録したファイルで、文字コード規格で規定されたコードに従ってデータ文字列に置き換えて記録する。対応ソフトがなくてもどのような文字が記録されているかは見ることができる。

(2023.12.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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