フォーマット 【format】
概要
フォーマット(format)とは、形式、書式、様式、体裁、型、構成などの意味を持つ英単語。コンピュータの分野では、記憶装置内部の区画分け、データやファイルの記録形式、文書などを構成する要素の書式などの意味で用いられる。データやファイルのフォーマット
複合的なデータを記録・伝送する際に、個々の要素の記法や長さ、順番など、データの記述方法を定めたものを「データフォーマット」(データ形式)という。特に、ストレージに記録されるファイルの体裁を取るものは「ファイルフォーマット」(ファイル形式)という。
ひとまとまりのデータをコンピュータの記憶装置に保存したり、通信回線・ネットワークを通じて伝送する形式を定めたもので、機種やソフトウェアが異なっても、同じフォーマットに対応していればデータを共有したり交換することができる。
コンピュータプログラム、文書、画像、動画、音声など様々な種類のデータについてフォーマットが定義されているが、同じ種類のデータについて多種多様な異なる形式が存在し、データの表現方法や保存できるデータの仕様などがそれぞれ異なる。
データの表現形式として、文字コード規格に則って文字データを並べて表現するものを「テキストフォーマット」(テキスト形式)あるいは「テキストファイル」、文字コードに縛られず単にバイト列を並べて表現するものを「バイナリフォーマット」(バイナリ形式)あるいは「バイナリファイル」という。
画像データのJPEGやPNGのように仕様が標準化されて公開されており、どのようなソフトウェアでも同じように使用できる形式と、文書ファイルのDOCファイルのように特定のメーカーやソフトウェアが内部的に使用する形式が普及した例がある。PDFファイルのようにメーカー固有の形式だったものが標準化されて公開された例もある。
ディスクフォーマット
記憶装置の記録メディア(記憶媒体)の内部を小さな区画に分割し、管理用のデータ保管領域などを確保することにより、特定の箇所へのデータの読み書きができるよう準備する操作をフォーマットという。また、そのようにして準備された媒体の記録形式のことをフォーマットということもある。
媒体上の記憶素子の列に特定のパターンを書き込み、読み書き可能な初期状態を形成することを「物理フォーマット」(ローレベルフォーマット)という。物理フォーマット済みの媒体に、管理用のデータ領域を確保したり、内部をいくつかの独立した区画に分割(パーティショニング)したり、特定のファイルシステムを形成することを「論理フォーマット」という。
かつての磁気ディスク媒体などは使用前に利用者が物理フォーマットする必要があるものもあったが、現代のハードディスクなどでは利用者側で物理フォーマットすることはなくなり(できなくなり)、単にフォーマットという時はほとんどの場合論理フォーマットを指すようになっている。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 日本実用英語学会論叢 2004年11号「テクニカルライティングにおけるスタイル及びフォーマットの考察
」(PDFファイル)にて引用 (2004年9月)