OVF 【Open Virtualization Format】 OVA / Open Virtual Appliance
概要
OVF(Open Virtualization Format)とは、仮想マシンの構成や状態を丸ごとデータとしてファイルに写し取ることができるデータ形式の標準仕様の一つ。仮想化ソフトの種類を問わず仮想マシンの複製や移転などを行うことができる。仮想化ソフトにより物理コンピュータ上に構築された仮想マシン(VM:Virtual Machine)環境をイメージファイルとして記録するための仕様を定めている。仮想マシンの設定や構成の情報、マシン上で展開されるソフトウェア環境のディスクイメージなどを記録することができる。
OVFファイルの本体はXML形式のデータファイルで、他に補助的なファイルがいくつか生成される。移転先ではこれらを同じディレクトリに配置することで仮想化環境を再現することができる。これらのファイルをTAR形式で単一のファイルにまとめた形式は「OVA」(Open Virtual Appliance)ファイルと呼ばれる。
OVFを利用することで、ある仮想化環境で作成したソフトウェア環境一式のパッケージを配布し、別の環境で迅速に同じ仮想マシンを展開することができるようになる。当初はハイパーバイザーの種類をまたいで移転できるようになることが期待されたが、現実には細かな仕様の解釈の違いなどから変換ツールなどが必要になることが多い。
最初のバージョンは業界団体のDMTF(Distributed Management Task Force)により2008年に公開され、2011年には国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)の合同委員会(JTC 1)によってISO/IEC 17203として標準化された。
(2020.7.16更新)