ダウングレード 【downgrade】 DG

概要

ダウングレード(downgrade)とは、降格する、格下げするといった意味の英単語で、「アップグレード」(upgrade)の対義語。ITの分野では、利用している機器やサービスソフトウェアなどを現在より格や等級の低いものに替えることを指す。ソフトウェアを古いバージョンに入れ替えたり、サービスの利用プランを下位のものに切り替えたりすることを表す。

ソフトウェアの場合

ソフトウェアは最も新しいバージョンの製品を使うのが一般的だが、旧版からの仕様の変更により古い機器やデータ形式との互換性が失われるなど、利用に差し支える場合や、何らかの最新版では困る不都合な事情が存在することがある。

そのような場合に、古い版を入手して(あるいは、取っておいて)最新版から入れ替えることをダウングレードという。また、同じソフトウェアの同じバージョンに、業務用と家庭用など機能の異なる複数の版(エディション)がある場合に、上位版の利用をやめて下位のものに入れ替えることもダウングレードということがある。

サービスの場合

ネットサービスなどの場合、用途や機能、保存・送受信できるデータ容量などに応じて複数の料金プラン、利用プランが選択できることがあるが、これを上位のプランから下位のプランに切り替えることをダウングレードということがある。

デグレードとの違い

ソフトウェアシステム開発では「デグレード」(regression)という語も使われる。品質や等級などが下がる、悪化する、退化するといった一般的な意味はほとんど変わらないが、デグレードは更新や修正により意図せず品質が悪化することなどを指す。

例えば、ソフトウェア開発で既存のソフトウェアの新しいバージョンを作成した際に、旧版にはなかった不具合や性能の劣化などが見られた場合、これを「デグレード」と呼び、意図して古い版に戻す「ダウングレード」とは区別される。

(2024.3.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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