モノリシック 【monolithic】
概要
モノリシック(monolithic)とは、一枚岩の、頑丈な、巨大な、などの意味を持つ英単語。組織や機器、システムなどの構造について、要素に分割されておらず全体が一体になっている様子を表す。原義は繋ぎ目の無い大きな一本の石材や木材などの様子を表す言葉で、人工物などに用いる場合は、構成要素の独立性が低く、一部分だけを分離、交換できるようには作られておらず、全体が緊密に一体化して機能を発揮するような構成を意味する。
IT分野ではソフトウェアの構造についてよく用いられる概念で、プログラムコード全体が緊密に一体化しており、特定の部分を切り離したり、外部から他の要素を追加・交換したりすることは想定していないような設計をモノリシックであるという。単体としての処理効率などは向上させやすいが、柔軟性や拡張性は犠牲となる。
一方、構成要素の仕様や役割、要素間の連携・接続方法が明確に定義され、独立性の高い要素(モジュール:module)を組み合わせて全体を構成する方式を「モジュラー」(modular)という。IT分野では、「モノリシックカーネル」に対する「マイクロカーネル」、「モノリシックアーキテクチャ」に対する「マイクロサービス」のように、対義語的に「マイクロ」(micro-)という接頭辞が用いられることも多い。
(2022.2.28更新)