エミュレーション 【emulation】 エミュレート / emulate
概要
エミュレーション(emulation)とは、ある装置やソフトウェア、システムの挙動を別のソフトウェアなどによって模倣し、代替として動作させること。代替となるソフトウェアなどのことを「エミュレータ」(emulator)という。“emulation” の原義は「競争」「模倣」「真似」など。例えば、あるCPU製品Aと同じように振る舞うエミュレータソフトウェアを、異なる設計のCPU製品B上で動作するように開発する。B上でエミュレータを稼働させると、その上でA向けに開発されたプログラムを実行できるようになる。
通常、ソフトウェアは特定の設計の機器や装置、オペレーティングシステム(OS)の組み合わせで動作するよう構成されており、異なる機種や製品を組み合わせた環境下ではそのまま実行できず、その環境に適したものを別に用意しなければならない。
エミュレーションを行えば、別の環境向けに開発されたソフトウェアを、手を加えることなくそのまま動作させることができる。ただし、プログラムやデータの改変や再構成が不要なだけで、本来の環境に比べ利用できる機能に制約が生じたり、性能が本来より劣化したりすることが多い。
エミュレータはソフトウェアによって実装することが多いが、CPUが別の機種向けのプログラムを動作させられるようにするなど、ハードウェア的に実装されることもある。また、対象となるのはソフトウェアとは限らず、装置や機器に対してエミュレーション環境を用意して動作させることもある。
(2024.1.15更新)
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 情報科学技術協会「情報の科学と技術」66巻10号「アーカイブ(保存記録)その2」(PDFファイル)にて引用 (2016年10月)