アボート【abort】
アボートとは?
中止(する)、中断(する)、打ち切る、打ち切り、などの意味を持つ英単語。ITの分野では強制終了や強制切断、(処理などの)中止などの意味で用いられる。

ソフトウェアの実行中に回復不能な深刻な異常が発生するなどして、オペレーティングシステム(OS)の制御や利用者の操作によって強制的に処理を打ち切って終了することをアボートということがある。操作画面上に表示されるダイアログボックスなどでは「中止」と訳されることが多い。
例えば、メモリ保護違反やゼロ除算といった実行時エラーが検出されると、OSはプロセスの実行を差し止めて強制終了させる。CPUの設計ではアボートは例外処理の一種として定義されており、命令の実行を途中で破棄し、実行前の状態を維持したまま制御を例外ハンドラへ移す仕組みとして実装されている。
通信分野では、パケットの送受信中にプロトコルの規定に反するデータが届いたり、物理的な切断が起きたりした際に、即座にセッションを破棄する動作を指す。データリンク層のHDLCプロトコルなどでは、特定のビットパターンを送信することで意図的にフレーム送信を打ち切る手順が定義されている。
データベース管理システムのトランザクション処理においてもアボートは重要な概念となる。一連の更新処理の途中で障害が起きた際、データの整合性を保つためにそれまでの操作をすべて破棄し、処理開始前の状態へ巻き戻す「ロールバック」処理が実行されるが、この一連の破棄動作全体を指してアボートと呼ぶことがある。