フォアグラウンド【foreground】
概要

オペレーティングシステム(OS)のマルチタスク環境では、現在利用者入力を受け付けているアプリケーションやプロセスをフォアグラウンドと呼ぶ。キーボードやマウスなどの操作は通常この対象に送られ、他のプログラムはバックグラウンドで並行して動作する。
デスクトップ環境では最前面に表示されアクティブになっているウィンドウが「フォアグラウンドウィンドウ」であり、タイトルバーの強調表示やフォーカス移動によりバックグラウンドウィンドウと識別される。スマートフォンでも同様、に画面上に表示されているアプリが「フォアグラウンドアプリ」となり、表示されていないアプリは実行時間や機能が制限されることがある。
コマンドライン環境では、端末を占有して入出力を行う実行方式を「フォアグラウンド実行」と呼ぶ。通常のコマンドはこの形式で起動され、処理が完了するまでプロンプトは戻らない。UNIX系OSのシェルではコマンドの末尾に記号「&」を付加することでバックグラウンド実行に切り替えることができる。通信処理でも、利用者の入力に応じて結果を返す対話的な処理をフォアグラウンドと呼ぶことがある。
グラフィックスやユーザーインタフェースの分野では、画面上で手前に表示される要素や文字色など前景の属性をフォアグラウンドという。スタイル指定では文字色を「フォアグラウンドカラー」(前景色)と呼び、背景色と対になる概念として扱われる。画像編集ソフトでも、描画や塗りつぶしに使用する選択中の色をこのように呼ぶ。
映像や写真の分野では、画面内で観察者に近い位置に写る被写体や前景要素を指す。前景の配置は奥行きの知覚や構図の整理に関わり、被写界深度の設定によりフォアグラウンドだけを鮮明にする表現が行われる。音響制作では、主旋律やナレーションなど前面で主に聴かせる音をフォアグラウンドと呼ぶことがあり、背景音楽や環境音、残響のようなバックグラウンドと対比される。