プロセス 【process】 proc

概要

プロセス(process)とは、処理、加工、過程、進行、経過などの意味を持つ英単語。日本語の外来語としては物事が進んでいく過程、手続きや業務などを構成する工程や段階などを指すことが多い。

プログラム実行単位のプロセス

コンピュータの分野では、動作中のプログラムをプロセスという。あるプログラムメインメモリ上に展開され、CPU実行されている状態を指す。あるプログラムの実行中に同じプログラムをもう一度起動すると、それらは別のプロセスとして管理される。

プログラムを構成する命令列(コード)だけでなく、コードデータを置くためのメモリ領域、変数などの内部状態、CPUの実行状態(コンテキスト)、セキュリティ属性などの組み合わせである。オペレーティングシステムOS)などからは固有の識別子プロセスID)で区別される。

プロセスの管理

プロセスをOSの機能の一部として実行される「システムプロセス」と、利用者の指示および権限のもとで実行される「ユーザープロセス」に分類することがある。プロセスは必要に応じて別のプロセスを起動することができ、起動した側を「親プロセス」、された側を「子プロセス」という。

現代的なCPUOSは「マルチタスク」に対応し、複数のプロセスを同時に実行状態に置くことができる。一つのCPUしか無いコンピュータでも、OSCPUの実行時間を極めて短く区切って高速でプロセスを切り替える「コンテキストスイッチ」をうことにより、複数のプロセスを並行して実行することができる。

マルチタスクOSの多くは、プロセスの内部に独立した複数の処理の流れを作り出す「マルチスレッド」(multithread)にも対応しており、プロセス内の一つ一つの処理の流れを「スレッド」(thread)という。プロセスやスレッドのことを「タスク」(task)と呼ぶ場合もある。

半導体製造プロセス

半導体の分野では、IC集積回路チップの製造工程のことをプロセスと呼び、チップ内部の微細な回路の線幅のことを「プロセスルール」というが、線幅のことを指してプロセスということがある。このが小さいほど集積度が高く、同じ面積に多数の素子や配線を配置することができるため、機能や性能が優れている。

例えば、「7nmプロセスで製造されたCPU」といった場合、線幅7ナノメートルに調整された製造装置および製造工程で製造されたCPUという意味になる。初期のICチップはマイクロメートル(μm)単位だったが、近年では1メートルの10億分の1を表すナノメートル(nm)で表されるようになっている。

(2023.12.6更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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