マルチブート 【multi-booting】
概要
マルチブート(multi-booting)とは、一台のコンピュータに複数のOS(オペレーティングシステム)を導入(インストール)し、起動時に選択できるようにすること。2つのOSを導入する「デュアルブート」が最も一般的。通常、コンピュータには一つのOSが導入され、電源を投入すると自動的に起動されるが、マルチブート環境ではストレージ(外部記憶装置)を複数台接続するか一台を複数の区画に分割し、それぞれ別のOSをインストールして起動可能にする。一度に一つのOSしか起動することはできず、他のOSへ切り替えるには一旦コンピュータを再起動しなければならない。
OSの起動は「ブートローダ」(boot loader)と呼ばれる特殊なソフトウェアによって行われ、電源投入時あるいはリセット時にブートローダの案内が現れ、どのOSを起動するか選択することができる。複数のOSに対応したブートローダとしてはLinuxで標準的に用いられるGRUB、Windowsに付属するWindows Boot Manager(BOOTMGR)が知られる。
仮想化・エミュレータとの違い
一台のコンピュータで複数のOSを使う手段としては他に、仮想化ソフトやPCエミュレータを導入する方法もある。コンピュータ上にソフトウェアによって仮想的なコンピュータを作り出し、そこにOSを導入・起動する。
ハイパーバイザ型の仮想化であれば同時に複数のOSを起動して並列に動作させることができ、ホストOS型(エミュレータ型)であればOSの操作画面上で他のOSを起動して同時に使用することができる。マルチブートと異なりソフトウェアを介してOSを動作させるため直に起動するより性能が劣化する。
(2022.7.21更新)