RPA 【Robotic Process Automation】 ロボティックプロセスオートメーション
概要
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がコンピュータを操作して行う作業を、ソフトウェアによる自動的な操作によって代替すること。主に企業などのデスクワークにおけるパソコンを使った業務の自動化・省力化を行うもので、業務の効率化や低コスト化を進めることができる。業務などに伴うコンピュータ操作の自動化で、ソフトウェアが人間の代わりに人間向けに作られたソフトウェアやシステムを操作して作業を進める。システム側で自動化の仕組み(マクロやスクリプト、外部開放APIなど)が用意されていない場合や、複数のシステムをまたいだ作業なども、人間が操作可能であればそのまま自動化することができる。
従来の自動化手法のほとんどは自動化ソフトウェアの開発であり、ソフトウェア開発環境を導入してプログラミング言語を用いて人間の代わりに処理を行うプログラムを記述する。その場合、操作対象のソフトウェア側が外部からの要求を受け付けるための呼び出し規約(API)を提供している必要がある。
一方、RPAでは専用のツールを用いてコンピュータに作業手順を教えることができるようになっており、操作対象ソフトウェア側の対応は必要ない。ツールはプログラミングなどの知識がなくても使用でき、IT技術者・開発者が専従で携わらなくても現場の作業者のみで自動化を進めることができる。
RPAはオフィスで従業員がパソコンなどを操作して行っている業務のうち、複雑な条件判断や意志決定などの介在しない定形業務やルーチンワークに適用できる。データの入力や複製、形式の決まっている書類や帳票の作成、手順の決まっている作業や手続きなどである。
人間が操作するコンピュータシステムであれば軒並み導入可能であるため、業種や職種を問わず幅広く導入できる。専門の開発者に頼らず低コストに導入できることもあって2010年代半ば以降急速に普及している。
RPAツール
RPAを行うための専用のソフトウェアを「RPAツール」「RPAソフトウェア」などという。自動化の対象となる一般的なWindowsパソコンなどで動作する。
そのコンピュータで動作するソフトウェアの操作を自動化するが、Webブラウザを通じてクラウドシステムを利用しているような場合には、ブラウザの操作を自動化することによってクラウドシステムの処理を自動化することができる。
RPAツールはグラフィック表示や位置指定などを多用するGUIを操作体系の基本としており、技術者でなくても画面の案内に従って操作できるようになっている。作業手順は自動化の対象となるソフトウェアを起動して人間が実際に操作して見せ、これをRPAツール側が記録する。
記録した手順を「再生」すれば、同じ作業が画面上で自動的に繰り返される。記録された作業手順はフローチャートなどの図や表にまとめて表示され、確認や修正を行うことができる場合もある。こうした手順はアプリケーションの操作を自動化する「マクロ」に類似しており、様々なアプリケーションにマクロ機能を追加するツールと見ることもできる。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 東京都昭島市「昭島市デジタル化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2022年3月)
- 鹿児島県薩摩川内市「薩摩川内市情報化推進計画」(PDFファイル)にて引用 (2021年3月)