スーパーバイザ【supervisor】SV
スーパーバイザとは?

コンピュータ上では多くのプログラムが同時に動作しているが、これらはCPUやメモリ、ストレージといったハードウェア資源へ自由にアクセスできるわけではない。これらの資源はOSが一元的に管理しており、各アプリケーションはOSの管理下で実行される。システム全体を監督してプログラムの実行環境を提供するこうした立場から、OSやカーネルを「スーパーバイザ」と呼ぶ。
現代のCPUの多くは、特権的な処理を実行できる「スーパーバイザモード」(カーネルモード) と、一般のアプリケーションが動作する「ユーザーモード」を備えている。ハードウェアの直接制御やメモリ管理、割り込み処理などの重要な機能はスーパーバイザモードでのみ実行できるようになっており、不正な操作や誤動作からシステムを保護している。
ユーザーモードで動作するプログラムがファイルの読み書きやネットワーク通信、メモリの確保といった特権的な処理を必要とする場合、OSに処理を依頼する仕組みを利用する。この仕組みを「スーパーバイザコール」(SVC:Supervisor Call)」または「システムコール」(system call)という。専用の命令によってCPUの動作モードをスーパーバイザモードへ切り替え、OSの機能を呼び出す。
仮想化技術の分野では、一台の物理コンピュータ上で複数のOSを同時に実行・制御するソフトウェアを「ハイパーバイザ」(hypervisor)と呼ぶ。OSを意味するスーパーバイザという用語を基に派生した名称であり、各OSよりも高い権限でCPUやメモリなどの資源を管理するため、このように呼ばれる。
一般社会では、小売業や飲食業で複数の店舗を統括する指導員、コールセンターなどで現場のオペレータを監督する責任者の役職名として用いられる。こうした用法では「スーパーバイザー」と末尾を伸ばして表記するのが一般的だが、IT分野では歴史的経緯から3音以上の語の末尾にある “-or”、“-er”、“-ar” などに由来する長音を省いて表記する習慣があり、「スーパーバイザ」の表記が定着している。