HP-UX
概要
HP-UXとは、米HPE(Hewlett Packard Enterprise)社が開発・販売しているUNIX OS。「UNIX」商標権のライセンスを受けたいわゆる商用UNIXの一つで、同社製の業務用コンピュータなどで動作する。同社のサーバ製品「HPE Integrity」シリーズなどで動作する商用のソフトウェア製品で、企業の業務システムなどを構成する高可用性システムなどで利用されている。同社の開発したPA-RISC系CPUと、米インテル(Intel)社と共同開発したIA-64系CPU(Itaniumなど)に対応している。
ジャーナル機能を持ったファイルシステム(VxFS)や論理ボリュームマネージャ(LVM)などを備え、高い信頼性や拡張性を発揮する。基本パッケージにJava仮想マシン(JVM)やApache HTTP Server、MySQLなど人気のサーバ向けソフトウェアをバンドルしており、これらを標準で利用することができる。
複数のコンピュータを連携させて一台が故障しても停止しない可用性の高い稼働環境(HAクラスタ)を構築するミドルウェア「HPE Serviceguard」と併用されることが多く、通信業界や金融業界などの中核的な業務システムで採用事例が多い。
HP-UXは1983年に当時のHP(Hewlett-Packard)社がUNIX System V(正確には前身のSystem III)を元に開発した、いわゆるSystem V系UNIXの一種で、UNIXの商標権を持つThe Open GroupによりUNIX OSとしての認証を受けている。日本では同社の日本法人が対応サーバなどと共に販売しているほか、いくつか大手電機メーカーが自社で開発したPA-RISCサーバにバンドルしてOEM販売している。
(2023.11.8更新)