ポーティング 【porting】 移植

概要

ポーティング(porting)とは、あるシステムで動作するよう開発されたソフトウェアを、異なる仕様や設計のシステムで動作するように作り変えること。

ソフトウェアは特定のプログラミング言語やその処理系、OS、コンピュータの機種やCPUの種類など、何らかの基盤となる動作環境依存しており、別の環境ではそのまま動作させることができない。これを、異なる基盤を持つプラットフォーム上で同じように動作するよう調整したり作り直したりすることをポーティングという。

日本語では、植物を他の場所に移し替える作業が原義の「移植」の語が定訳として用いられる。派生語として、移植がしやすいことを「ポータブル」(portable)、移植のしやすさを「ポータビリティ」(portability)、移植されたプログラムなどを「ポート」(port)などという。

ポーティングの具体的な方法や工程は、対象となるプログラムや移植元、移植先のシステムの種類や設計によるが、プログラミング言語で書かれたソースコードを移植先の環境に合わせて追加・修正する作業が中心となることが多い。

互換性の低いシステム間では、異なるプログラミング言語やプログラム実行環境を用いて、移植元ソフトウェアの仕様や設計などを元に同じように動作するプログラムをほとんどゼロから書き直す場合もある。一方、API互換を有するシステム間など互換性の高い環境同士では、ソースコードを実質的に変更せず、移植先でコンパイルやリンクなどを行うだけで移植先環境に適した実行形式プログラムを得られる場合もある。

(2018.11.18更新)

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