パッケージソフト 【package software】 プログラムプロダクト / program product / PP / ソフトウェアパッケージ

概要

パッケージソフト(package software)とは、既成品として販売されているソフトウェア製品。または、物理的な記憶媒体に記録され、箱などに梱包されて販売されるソフトウェア製品。

既成品という意味のパッケージ

既成品という意味のパッケージソフトは、開発元が自ら設計開発して完成品として流通事業者や顧客に販売しているソフトウェア製品を指し、利用者の要望に応じて個別に設計開発されるオーダーメイドのソフトウェアと対比される。

個人が購入・利用するソフトウェアのほとんどはパッケージだが、企業などの情報システムでは構想時にパッケージと個別開発を比較検討してどちらにするか選択することがある。パッケージソフトの中には機能を改変したり追加できる仕組みを提供しているものもあり、これを利用して一部を自らの必要に応じて作り変える(カスタマイズ)場合もある。

パッケージソフトはすでに完成して販売されている製品であるため、利用者側にとっては設計開発にかかる時間を省いてすぐに購入して利用することができる。他にも利用者がいるため、使用ノウハウなどの有益な情報を開発元から得るだけでなく利用者間で共有できる場合がある。多数の利用者が日々使用することで問題点なども早期に発見され、速やかに修正されることが期待される。コストも同規模、同機能、同性能で比較すればほとんどの場合既成品の方が安い。

ただし、仕様は開発元が策定し、潜在的利用者が共通して求めると想定される最大公約数的な内容であることが多いため、個々の利用者にとっては自らにとって必要な機能が不足していたり、不要な機能ばかり多く費用対効果が低かったりする場合もある。当然ながら自分(自社)しか使用しない特殊な機能などが標準で実装されることは期待できない。

物理的な梱包という意味のパッケージ

提供方式としてのパッケージソフトは、プログラムデータCD-ROMDVD-ROMBlu-ray Discなどの物理的なメディアに記録され、マニュアルや保証書、利用許諾契約書ライセンス)などと共に紙箱やプラスチックケースなどに梱包されて利用者に届けられるものを指す。店頭で販売され利用者が購入して持ち帰る場合と、オンラインで注文して宅配便などで配達される場合がある。

インターネットを通じてプログラムなどを配布するダウンロード販売(オンラインソフト)や、Webブラウザなどを介してインターネット上のサービスとしてソフトウェアの機能を提供するSaaS/クラウドサービスなどと対比される。

インターネット回線が低速だったりWebシステムの機能が貧弱な時代にはソフトウェア製品の標準的な提供手段だったが、現代ではスマホアプリのようにネットワークを通じた提供が一般的になり、パッケージ販売はパソコン向けの一部の製品でわれるのみとなっている。

(2018.6.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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