テンポラリ【temporary】テンポラリー
概要

オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションが実行中に生成するファイルのうち、永続的な保存を目的としないものを「テンポラリファイル」という。処理の途中で発生する中間データの退避、メモリ容量の補完、異状終了に備えた自動保存など、様々な用途で生成される。処理が正常に完了した時点で自動的に削除されるのが基本だが、ソフトウェアの異常終了によって削除されずに残留することもある。
ファイルシステムの中で、こうしたテンポラリファイルを集約して格納する領域を「テンポラリフォルダ」「テンポラリディレクトリ」と呼ぶ。内部のデータは処理の都度、作成と削除を繰り返すが、領域自体は恒久的に維持される。Windowsでは「C:¥Users(ユーザー名)¥AppData¥Local¥Temp」が、LinuxなどのUNIX系OSでは「/tmp」がシステム側の用意するテンポラリ領域で、ソフトウェアが自動的に利用するほか、開発者がプログラム中で明示的に参照することも多い。
クラウドサービスやコンテナ環境では、テンポラリ領域は「エフェメラルストレージ」(ephemeral storage)として扱われることがある。インスタンスの停止やコンテナの破棄によって内容が消失する前提で設計されるストレージで、処理完了後に保持すべきデータは別途永続ストレージへ書き出す必要がある。サーバレスや分散処理の実行環境でも同様に、実行単位のライフサイクルに依存した一時的な領域として用いられる。
テンポラリ領域は削除しそこねた残留ファイルによるストレージ容量圧迫や、機密データの意図しない残存といったリスクを生じさせることもある。そのため、OSや管理ツールによる定期的なクリーンアップの対象となる。コンテナのような揮発性の実行環境の利点の一つとして、こうした問題が構造的に解消される側面もある。