下位互換 【下位互換性】 upward compatible
概要
下位互換(下位互換性)とは、機能や性能で下位に位置する製品が、同じ系列の上位の製品の仕様や機能の一部を共有している(互換性がある)状態のこと。ある製品Aが、別の製品Bと共通の外部接続仕様などを持ち、Bの代わりとして使えることを「AはBと互換性がある」という。AとBが共に同じ系列の製品で、Aが低いグレードのモデル、Bが上位モデルであるとき、「AはBの下位互換である」という。
例えば、廉価版のソフトウェア製品が、同じ系列のフル機能版と同じデータ形式を扱うことができるような状況を意味する。これに対し、上位の製品が下位の製品に対して互換性があることを「上位互換」(downward compatible)という。
通常、下位の製品は上位の製品に比べ機能や仕様が制限・限定されていることが多いため、上位互換は完全な互換性(完全互換)であることが多い一方、下位互換は仕様の一部分、限定的な互換性であることが多い。
同じメーカーの同系列の製品でなくても、他社の競合製品の下位モデルが互換性を持っている場合などに下位互換ということがある。また、古い製品が新しい製品に対して互換性を維持していることを「前方互換」(forward compatible)というが、多くの場合、同じシリーズの新製品は旧製品より機能が充実しているため、前方互換を指して下位互換ということもある。
(2022.5.17更新)