システムファイル【system file】
概要
種類と保管場所
OSを構成するプログラムファイル(実行ファイル)やライブラリファイル、設定ファイル、データファイルなどが該当する。コンピュータへのOSの導入(インストール)時にストレージに書き込まれる。周辺機器のデバイスドライバなどは、機器の導入・接続時に追加されることが多い。
Windowsの場合はシステムドライブの「Windows」フォルダなど起動ドライブ内の数か所に集められている。他のシステムでも、いくつかの決まった場所に集積されていることが多く、利用者やアプリケーションソフトのためのファイルやフォルダとは分けて管理されることが多い。
機能と役割
システムファイルの主な役割はOSの起動や動作そのもので、カーネルなどの中核となる制御プログラムと、様々な個別の機能を提供する常駐プログラムなどで構成される。ハードウェアを制御して、アプリケーションから操作できるようにするプログラムはデバイスドライバと呼ばれる。
動的リンクライブラリのように、アプリケーションソフトに機能を提供するためのファイルもあり、アプリケーション実行時にプログラムに連結されて機能を発揮する。ユーザーアカウントのデータファイルには利用者の登録情報が記録されており、ログインに必要な認証情報やシステムの操作権限などの管理に用いられる。
改変による影響
システムファイルの中には、ファイル名や内容が破損・改変されたり、本来の保存位置から移動すると、OSやアプリケーションソフトの動作に支障をきたすものがある。最悪の場合、OSやアプリケーションソフトが起動しなくなることもある。
OSによっては、利用者やアプリケーションソフトが不用意に上書きや移動、削除などをできないようにするため、ファイルやフォルダに隠し属性が設定されたり、管理者権限以外での操作を禁じたり、移動や上書きなどの操作に対して警告や確認の表示を行うものもある。
自動更新
近年では、多くのOSでインターネットなどを通じて新しいシステムファイルを配信する仕組みが整えられており、システムが定期的に発行元からシステムファイルを取り寄せて追加したり更新している。発売・公開後に発見された不具合や保安(セキュリティ)上の脆弱性を修正したり、機能や性能、安定性を向上させたりしている。
