組み込みソフトウェア 【embedded software】 エンベデッドソフトウェア / エンベッドソフトウェア
概要
組み込みソフトウェア(embedded software)とは、家電製品や産業機器、乗り物などに内蔵される、特定の機能を実現するためのコンピュータシステム(組み込みシステム)で動作するソフトウェア。装置の制御や利用者からの操作の受け付けなどを行う。組み込みシステムは機器内部の制御などを行なう小規模な専用コンピュータで、その制御や具体的な機能の実装、利用者への情報提供や操作の受け付けを行うユーザーインターフェースの提供などが組み込みソフトウェアの主な役割となる。
主基板などに実装された書き換えできないメモリ装置(ROM)に固定的に記録され、出荷後は入れ替えや更新などを行わないものが多いが、近年では高度な情報機能を搭載した製品を中心に、フラッシュメモリなど書き換え可能な記憶装置に記録しておき、後から利用者側でインターネットなどを通じて更新できる仕組みを持つものも増えている。
比較的複雑・大規模な機器の場合は、パソコンなど汎用コンピュータと同じように独立したオペレーティングシステム(組み込みOS)やミドルウェアなどによって基本的な制御などを行い、個別的、具体的な機能の実装をアプリケーションソフトにより行なうことがある。
これに対し、性能や記憶容量などの制約が厳しい単機能製品や小型の製品などでは、OSに相当するものを用いずに、特別に開発したソフトウェアのみですべての機能の提供を行う場合もある。
組み込みシステムはCPU性能やメモリ容量などの資源の制約がきつく、特殊な装置や回路の操作や制御をが必要なこともある。また、医療機器や産業機械では処理の遅延や停止が致命的な事態を招く危険を伴う場合があり、高い堅牢性や、応答時間が一定の範囲内にあることを保証するリアルタイム性が求められる。
(2020.4.22更新)