Apacheライセンス 【Apache License】 Apache Software License
概要
Apacheライセンス(Apache License)とは、オープンソースソフトウェアを開発・配布する際によく用いられる、利用条件などを定めた利用許諾契約書(ライセンス)の一つ。アパッチソフトウェア財団が公表しているもので、同団体が公開しているソフトウェアの多くに適用されている。何度か改訂されているが、現在主流の2004年に発表されたバージョン2.0では、ソフトウェアを自由に扱って良いこと、再頒布時に著作権表示とライセンス表示を含めること、オリジナルから修正点がある場合には明示すること、作者や著作権者はいかなる責任も負わないことを定めている。
他のオープンソースライセンスにはあまり見られない条項として、作者が自ら権利を有する特許技術を利用してソフトウェアを開発した場合に、利用者に特許の利用を許諾したとみなす(後から利用料の請求や特許権侵害の申し立てはできない)旨の記述がある。
Apacheライセンスで公開されたプログラムを改変したり、自らのプログラムに組み込んだ派生的(二次的)な著作物は、ソースコードを公開せずに販売・配布したり、Apacheライセンスとは異なるライセンス(独占的なライセンスを含む)で提供することができる。
GPL(GNU General Public License)など「コピーレフト」(copyleft)条項のあるライセンスではこうした行為は禁じられており、派生著作物のソースコードも同じライセンスで公開しなければならない。これを避けるためにApacheライセンスを採用する開発者も多い。
Apacheライセンスはアパッチソフトウェア財団(ASF:Apache Software Foundation)が考案し、同財団傘下のソフトウェア開発プロジェクトなどで利用されているもので、最も人気の高いWebサーバソフトウェアである「Apache HTTP Server」などがApacheライセンスのもとに配布されている。
当初は「Apache Software License」(アパッチソフトウェアライセンス)が正式名称だったが、バージョン2.0から「Apache License」(アパッチライセンス)に改称された。カリフォルニア大学バークレー校の「BSD」(Barkeley Software Distribution)プロジェクトで考案された「BSDライセンス」(BSD License)に影響受けており、似た構成の「MITライセンス」(MIT License)などとともに「BSDスタイル」と総称されることもある。