AIX 【Advanced Interactive Executive】
概要
AIX(Advanced Interactive Executive)とは、米IBM社のオペレーティングシステム(OS)製品で、正規の認証を受けたUNIXの一つ。同社のPOWER/PowerPC系プロセッサを搭載した業務用コンピュータで動作し、高い信頼性や拡張性により、主に企業などの基幹系システムで用いられる。UNIX規格に則った仕様・機能に加え、LPARなどの仮想化機能や、ジャーナル機能を持ったファイルシステム、論理ボリュームマネージャ(LVM)、数十から数百のプロセッサによる並列処理などに対応しており、拡張性や柔軟性に富んでいる。
標準でデスクトップ環境のCDE(Common Desktop Environment)を備え、GUI操作に対応している。独自のメニュー形式の管理ツール「SMIT」(System Management Interface Tool)を持ち、主要な設定項目の管理ができる。UNIXコマンドや設定ファイルの記述などに馴染みの薄い利用者でも管理しやすい。
近年のバージョンではLinuxとの互換性や相互運用性の向上も見られ、「AIX Toolbox for Linux Applications」というオープンソースソフトウェア集が添付される。GNOMEやKDEなどのデスクトップ環境も利用でき、x86(IA-32)上のLinux向けに作られたバイナリコードを実行できる「Lx86」も提供されている。
1986年にUNIX System V Release 3(SVR3)を元に開発されたもので、UNIXの商標権を持つThe Open GroupによりUNIX OSとしての認証を受けている。初版はIBM RTシリーズというあまり知られていない機種向けだったが、程なくしてPOWERプロセッサおよびRS/6000シリーズに衣替えし、この系統は現在もPower Systemsとして存続している。同社のメインフレーム製品や米アップル(Apple)社のPowerPC内蔵サーバ製品、日立製UNIXサーバなどで動作するバージョンもある。
(2023.2.19更新)