サスペンド 【suspend】 スタンバイ / standby / STR / Suspend To RAM / サスレジ
概要
サスペンド(suspend)とは、コンピュータの一部の機能を停止して省電力モードで待機させること。通常の電源断とは異なり、次の使用時に迅速にシステムを再開することができる。サスペンド状態からの復帰動作のことを「レジューム」(resume)という。コンピュータの起動(ブート)や終了(シャットダウン)には数十秒から数分の長い時間がかかることが多い。離席や移動など短時間の使用中断のためにいちいち起動や終了を繰り返すのは非効率で、利用者にとってもストレスフルな使用感となる。
サスペンドは電源断時と同じようにコンピュータを停止させる機能で、画面表示はオフになり操作も受け付けなくなるが、内部の制御回路の一部は低消費電力モードで動作し続けており、利用再開を指示すると瞬時に操作可能な状態に復帰することができる。
メインメモリ(RAM)以外の通電を遮断し、メモリ上の内容を保持したまま機能停止状態となる「STR」(Suspend-To-RAM)と、メモリ上の内容をハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)へ退避して全面的に電源を切る「STD」(Suspend-To-Disk)の二つがある。通常、単にサスペンドと言った場合は前者を指し、後者は「ハイバネーション」(hibernation)あるいは「休止状態」と呼ぶことが多い。
サスペンドは停止・再開がいずれも一般的なパソコンで数秒程度と極めて高速で、すぐに前回中断時の状態を復元することができる。停止中もメモリには通電しているため、電力消費はハイバネーションよりも大きい。ノートパソコンの多くはディスプレイを畳むと自動的にこのモードに入る。
Windowsの場合、Windows 95までは「サスペンド」の名称で操作メニューなどに表示されていたが、Windows 98以降は「スタンバイ」と表示されている。Windows Vista以降は「スリープ」表示となり、当初はサスペンドし、長時間サスペンドが継続したりバッテリー残量が一定以下になると自動的にハイバネーションに移行する「ハイブリッドスリープ」動作が標準となっている。