ポータビリティ 【portability】 可搬性 / 移植性 / 携帯性
概要
ポータビリティ(portability)とは、可搬性、移植性、携帯性などの意味を持つ英単語。他の場所への移動、移転、持ち運びのしやすさを表す用語で、分野によって具体的な意味合いは異なる。機器のポータビリティ
機器や装置、設備などについてポータビリティという場合には、単純に物理的な持ち運びやすさを意味する。
形状や重量などが所持や運搬に適していることや、特定の場所に据え置いて使う前提ではなく、様々な場所に移動して使えるよう設計されていることなどを指す。「新機種は従来より薄型・軽量でポータビリティが高い」といったように用いる。
ソフトウェアのポータビリティ
ソフトウェア(コンピュータプログラム)についてポータビリティという場合は、他の環境に移植して動作させる容易さを意味し、「移植性」とも訳される。
通常、ソフトウェアはある特定の機種やCPU、OS、言語処理系などで動作させる前提で開発されることが多いが、これを異なる環境で動作するよう修正や追加を行うことを「移植」(porting:ポーティング)という。
移植のしやすさはソフトウェアの種類や作り方、基盤とする技術などによって大きく異なり、ほとんどあるいはまったくそのままで他の環境で動作する場合もあれば、全面的な作り直しに近い作業が必要となる場合もある。この移植の行いやすさをポータビリティという。
ナンバーポータビリティ (番号持ち運び制度)
電話サービスの加入者が別の通信事業者のサービスに乗り換える際、それまで使用していた自分の電話番号をそのまま持ち運べる制度を「ナンバーポータビリティ」(number portability)あるいは番号ポータビリティ、番号持ち運び制度などという。携帯電話の番号を持ち運ぶことは特に「MNP」(Mobile Number Portability)と呼ばれる。
従来は別の事業者に契約を切り替えると電話番号も新しい番号に変わってしまうため、知人や関係先への周知の面倒さが事業者変更の大きな障壁となっていた。このような状況は通信サービスの自由な競争を阻害しているという議論が起こり、2000年前後に各国で相次いでナンバーポータビリティ制度が導入された。日本では2001年に固定電話の番号が、2006年に携帯電話の番号がそれぞれ持ち運び可能となった。