ダウングレード攻撃 【downgrade attack】
概要
ダウングレード攻撃(downgrade attack)とは、通信開始時に暗号化方式や認証方式などを複数の選択肢から選べるようなシステムで、脆弱な古い仕様をわざと選択させ、その脆弱性を狙って攻撃する手法。SSL/TLSにおけるバージョンロールバック攻撃がよく知られる。SSLやその後継のTLSでは仕様の改定が繰り返されてきたため、クライアントとサーバの接続確立時に両者が対応している規格のバージョンや暗号化方式などの情報を交換し、双方が対応している方式を選択して接続手順を開始するという仕組みがある。
ダウングレード攻撃はこの仕組みを悪用したもので、攻撃者の操作するクライアントから脆弱性が発見され攻撃手法が確立されている通信方式をサーバに申請し、接続を開始したら既知の脆弱性を利用して攻撃を行う。最新の仕様が導入されたサーバでも、古い仕様のクライアントとも通信できるように古い規格に基づく接続を受けて入れている場合があり、ダウングレード攻撃の標的となる。
主にSSLおよびTLSの暗号化仕様の選択の際に用いられる手法で、SSL/TLSの古いバージョンをわざと選択する手法を特に「バージョンロールバック攻撃」という。バージョン以外にも、暗号アルゴリズムの選択やハッシュ関数の選択、暗号鍵の長さの指定などでダウングレードを強いる場合がある。
(2022.11.25更新)