読み方 : ぶつりアドレス

物理アドレス【physical address】フィジカルアドレス

概要

物理アドレスとは、機器やデータの識別符号や所在情報のうち、物理的な実体に紐付けられた、あるいは装置の物理的な構造上の位置を示すもの。プログラムが扱う論理アドレスや仮想アドレスとは異なり、仮想的な対応関係を介さず実体そのものに対応する。

記憶装置と通信ネットワークという2つの文脈で用いられ、前者では装置内での記録上の位置を、後者では機器固有の識別符号を意味する。いずれの場合も、装置の物理的な構造や製造時の設定に基いて一意に決定される。

記憶装置の物理アドレス

メインメモリやストレージなど記憶装置の場合、物理アドレスは装置の物理的な構造に基いて決定される特定の記録位置を示す。記憶領域の先頭からのブロック数などで表され、DRAMではメモリセルの並びに対応したアドレス線やバスを介して指定される。

CPUやオペレーティングシステム(OS)がアプリケーションを実行する際には、メモリ管理を効率化するために論理アドレスや仮想アドレスを利用することが多いが、これらは最終的にメモリ管理ユニット(MMU)などのハードウェアによって物理アドレスに変換され、記憶装置に対するデータの読み書きが行われる。ストレージにおいてはセクタやブロック単位の位置として表現され、装置内部の配置に依存する。

ネットワーク上の物理アドレス

ネットワーク上で機器を識別するアドレスの場合、物理アドレスは個体ごとに固有の識別符号であり、装置を他の個体と一意に識別・同定するために用いられる。インターネットなどIPネットワークに接続する機器では、通常は「MACアドレス」のことを指す。これは機器の製造時にメーカーが記録する48ビットの値で、ベンダ識別子と個体識別子の組み合わせから構成される。近年では製造時に記録されたアドレスを使わず、OSが毎回異なるランダムな値を設定する「MACアドレスランダマイゼーション」が普及している。

イーサネット(Ethernet)やWi-Fiなどリンク層の通信規格において、ネットワーク上の機器を識別するために物理アドレスが用いられる。物理的に信号が届く範囲にある近隣の機器が実際にデータを送受信する段では、この物理アドレスを用いて相手方の通信機器を特定する。IPアドレスとMACアドレスは「ARP」(Address Resolution Protocol)などの仕組みを通じて対応付けられる。

(2026.6.26更新)
 

他の辞典等による「物理アドレス」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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