プリインストール 【preinstall】 プリイン / プレインストール

概要

プリインストール(preinstall)とは、コンピュータ製品の出荷時に、あらかじめいくつかのソフトウェアが導入(インストール)済みであること。オペレーティングシステム(OS)やオフィスソフトセキュリティソフトなどが対象となることが多い。

コンピュータで使用するソフトウェアは導入作業を行う必要があるが、プリインストール対象のソフトウェアはメーカーが製造時に導入を済ませており、利用者は購入後すぐに使い始めることができる。一般に販売されているパソコン製品の個人・家庭向けモデルやスマートフォンタブレット端末などでよく見られる。

プリインストールされるソフトは、OSのように必ず必要となるものや、DVDプレーヤーなどのユーティリティソフトウイルス対策ソフトなどのセキュリティソフト、多くの人が使用するオフィスソフトなどのアプリケーションソフトが選ばれる。パソコンの場合には「Windowsのみモデル」「Office付きモデル」のようにプリインストール済みのソフトの種類によって複数のモデルが設定される製品もある。

スマートフォンの場合は、製造元の端末メーカーが導入するソフトと、販売元が通信事業者キャリア)の場合はキャリアが導入するものがある。キャリアが導入するソフトは自社サービスと連動しており、同じ端末でもキャリアが異なれば別のソフトが入っている。

価格と提供方式

有料で販売されているソフトウェア製品をプリインストールする場合はその分の価格がコンピュータ本体の価格に上乗せされるが、ソフトウェアメーカーがコンピュータメーカーに一括提供する卸売価格であるため、パッケージ製品の店頭価格よりは安くなることが多い。

その代わり、包装や付属品が簡素だったり、他のコンピュータへの導入が禁止されるなどパッケージ版とは異なる制約や条件が課されている場合がある。また、機能や利用期間に制限のある体験版・試用版をプリインストール提供し、正式版への昇格や継続利用する場合は別途購入手続きを行う方式で提供されるものもある(アンチウイルスソフトなど)。

近年では、完全に無料で利用できるが、Webブラウザの設定を改変して特定のネットサービス(検索サイトなど)へ誘導したり、広告を表示するソフトウェアもある。利用者に十分な説明が行われず、コンピュータ利用に必須であると誤解して使用し続けてしまう事例もある。

(2024.3.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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