ユーティリティソフト 【utility software】

概要

ユーティリティソフト(utility software)とは、コンピュータオペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトなどの機能を補い、使い勝手や性能などを向上させる単機能あるいは小規模なソフトウェアのこと。単に「ユーティリティ」と略されることも多い。

“utility” とは実用的な、有用性、役に立つ、多用途の、などの意味を持つ英単語である。ソフトウェアのうち、それ自体を目的に使用することはほとんどなく、コンピュータ利用の補助のために用いるものをこのように呼ぶことが多い。

分野や対象によって機能や形態は多様だが、特定の機器や装置、アプリケーションなどの利便性を向上させる補助的なソフトウェアを指す場合と、コンピュータ利用全般を補助する小さな単機能のアプリケーションを指す場合がある。

現代のパソコン向けOSの場合には、電卓、時計(時刻表示・タイマー・アラーム・ストップウォッチなど)、カレンダー、ファイル圧縮伸張ファイル形式の変換、メインメモリRAM)管理、ストレージ外部記憶装置)管理、ウイルスなどのマルウェア対策、周辺機器の操作・管理、簡易なゲーム、スクリーンショット画面キャプチャ)などの機能を提供するソフトウェアが該当することが多い。

文字ファイル表示・編集(テキストエディタメモ帳)、音声記録・再生、動画再生、画像表示、簡易な画像作成・編集などのソフトウェアも、機能や性能が簡易なものはユーティリティソフトに含めることが多いが、これらはデータの作成や編集を伴い、それ自体を目的に使用するのが一般的なため、該当しないとする考え方もある。

OSとユーティリティ

OS製品のソフトウェアパッケージには、狭義のOS本体と共に、基本的なユーティリティソフトが同梱されているのが一般的で、ストレージを管理するための一部のツールなど、広義のOSの機能の一部とみなされているものもある。

また、ディスクデフラグツールやファイル圧縮ツールのように、当初は外部の開発者がユーティリティソフトとして開発・提供していたものが、時代が下るとOSの標準的な機能の一部として取り込まれ、単体のユーティリティソフトは衰退ないし消滅するという過程もよく見られる。

専門的なユーティリティ

ユーティリティソフトか否かは機能が補助的かどうかの問題で、専門的か一般向けかは無関係なため、専門的な分野には専門的な機能のユーティリティソフトが存在する。例えば、ファイルシステム管理や高度なファイル操作、ネットワーク管理ツール、業務用ソフトの管理や操作を補助するツールなども、その分野ではユーティリティソフトとして提供される。

(2024.4.1更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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