エディション【edition】
概要

出版物における「版」は、第1版、第2版というように時系列の前後関係、すなわち世代を表すものである。これに対し、ソフトウェア製品などの「エディション」は、同じ世代の製品に用意された複数のバリエーションを意味する。
例えば、同一バージョンのソフトウェアに「Home」(家庭向け)、「Business」(中小企業向け)、「Enterprise」(大企業・官公庁向け)といったエディションが用意されることがある。上位のエディションほど高度な管理機能やセキュリティ機能が搭載され、価格も高く設定される傾向がある。
また、製品としての機能に大きな差がなくても、動作させる環境や機種の違いによってエディションが分けられる場合もある。かつて一般的だった32ビットCPU向けの「32bit Edition」と、64ビット機向けの「64bit Edition」を作り分ける形態がこれに該当する。家庭用ゲーム機向けとスマートフォン向けなど、対応機種や配信プラットフォームの違いによってエディションを展開する例もある。
近年では、クラウドサービスやサブスクリプション型(定額制)のソフトウェアにおいても、利用可能な機能や容量、サポート内容に応じて複数のエディションが設定されることが多い。無料で利用できる「Free」や「Community」、有料で追加機能やサポートが付与される「Standard」「Professional」「Enterprise」など、利用者の規模や予算に応じて選択できる構成が一般的となっている。
なお、製品の「バージョン」や「リビジョン」は、不具合の修正や機能追加によって時間の経過とともに変化していく時系列の段階を示す概念であり、エディションとは区別される。両者は併用されることが多く、同一バージョン内に複数のエディションが並行して存在する形態が一般的である。利用者は自身の目的や予算、動作環境に合わせて、最適なエディションを選択することになる。